時下、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、信州大学医学部歯科口腔外科学教室のお世話で第32回日本有病者歯科医療学会学術大会を開催させていただくこととなりました。信州大学が本学術集会を開催させていただくのは、前任の倉科憲治を会長に2009年松本市で行って以来となります。今回は会場を「軽井沢プリンスホテル ウエスト」に変えて、2023年3月18日(土)・19日(日)に開催いたします。
本学会は、日常の歯科診療で全身的になんらかの配慮を必要とする基礎疾患を有した患者(いわゆる有病者)の歯科的対応を学術的に研究、議論することにより、安全で安心な歯科医療の提供を目的とした学会です。昨今の有病高齢者数の増加に伴う本学会への関心の高まりとともに、会員数は増え続け(約2,500名)、近年の学術大会では参加者数が1,000名を超えております。また本学会の特徴の一つとして、学会会員が多領域の専門家によって構成されているところにあります。本学会は、まさに、今後我が国が直面する超高齢、多病多死といった問題に対して、即応可能な臨床医療者の集団として、医療における役割は日増しに高まっております。
今回の学術大会のテーマは「2025年を目指した歯科医療体制の再構築」といたしました。2025年の地域包括ケアシステムを目前に控え、歯科医療として何が求められているか、何をすべきか、何ができるかなどを再検討し、必要な歯科医療提供体制を検討すると共に、医療に携わる多職種のみならず行政および産業界といっしょに準備していきたいと考えております。
いまだ新型コロナウィルス感染症は、社会に大きな影響を及ぼしています。しかしながら社会は、ウィズコロナ、アフターコロナに向けて進んでいます。医療は仁術であり、コミュニケーションが重要なウェイトを占めています。昨今の進歩により通信技術を駆使した集会や医療も一般的になってきておりますが、今回の学術集会の開催にあたっては人間の原点に戻り対面でのディスカッション、交流を主体とした学術集会にしたいと考えております。是非、会場である軽井沢に足をお運び頂き、みなさまにお会いできることを楽しみにしています。なお、諸般の事情により対面での開催を制限する等の可能性は残りますので、その際はご容赦頂くとともに、HPで最新の開催情報をご確認頂きますようお願い申し上げます。
3月末の軽井沢は春にはまだ少し遠い状況です。そんな長野らしさを味わって頂くとともに、皆様の心に残る大会にすべく、医局員一同準備して参りますので、是非ご参加のほどお願い申し上げます。
末筆にはなりますが、社会の安寧と皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。
第32回日本有病者歯科医療学会学術大会
大会長 栗田 浩
(信州大学医学部歯科口腔外科学教室 教授)