会長ごあいさつ
第34回日本頭頸部外科学会総会・学術講演会
会長 小島 博己
東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学教室
この度、第34回日本頭頸部外科学会総会ならびに学術講演会を、2025年1月30日(木)と31日(金)の両日にわたり東京で開催させていただくこととなりました。開催にあたりまして、平野 滋理事長をはじめ、役員各位および会員の皆様に心より感謝申し上げます。
日本頭頸部外科学会は会員数2000 名を超え、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の関連学会の中でも最大規模の学会の一つであり、頭頸部領域の手術の發展に大きく貢献してきた学会です。この伝統ある本学会を当教室が開催させていただくことは、大変光栄に感じるとともに身の引き締まる思いです。
今回の学会では「創造と工夫」をテーマに掲げ、注目度や関心度の高いテーマを揃え、幅広い分野にわたり多彩なプログラムを企画いたしました。
特別講演は「大都市災害時におけるエネルギー防災について 〜過去の事例から学ぶ〜」と題し、株式会社ユニバーサルエネルギー研究所代表取締役の金田武司氏をお招きし、過去の災害事例をもとに、エネルギー防災と災害時対応の課題についてご講演いただきます。また、教育講演として、東京慈恵会医科大学熱帯医学講座教授の嘉糠 洋陸先生より「オリジナリティのある医学研究を目指して:バイオセラピーを例に」というテーマで、バイオセラピーの最新の研究成果やそれが医療現場でどのように導入されつつあるのか、その上で、オリジナリティある研究を推進するためのアプローチについてご講演いただきます。
シンポジウムは5 題のテーマで開催し、解剖から基本的な手術手技、注目の高いトピックやAI を含む最新のトピックにいたるまで、国内の若手から経験豊富なベテランまで活躍している演者の先生方にご講演いただきます。パネルディスカッションは3 題のテーマで、各分野の第一線で活躍する頭頸部外科医による活発な議論が期待されます。
教育セミナーは13 題を予定しており、全て耳鼻咽喉科領域講習対象となっております。豊富な知識と経験を持つ講演者の先生方による頭頸部外科医療の基本手術手技や治療の最前線に関するご講演は、若手教育のみならず、上級医にとっても最新の知識を更新する上で重要なセミナーとなっております。
例年人気の高い頭頸部超音波研究会企画のハンズオンセミナーに加え、共催ハンズオンセミナーも予定しております。また、一般演題も353 題と多くのご登録いただきました。11 題の共催セミナーも予定しており、機器展示を含め多くの企業にご協賛いただいております。
会場は「ヒルトン東京お台場」です。参加者の皆様が会場内でスムーズに移動できるよう、講演会場や機器展示会場をすべてワンフロア内に収めました。この会場は、ゆりかもめ「台場駅」に直結し、東京駅から約30 分、羽田空港からバスで約20 分と、全国からのアクセスも良好です。また、銀座や新橋など都内の繁華街へのアクセスも優れています。夜にはレインボーブリッジやお台場周辺の美しい夜景を楽しむことができ、学会の合間にぜひお台場の景色や魅力をご堪能いただければと思います。また、今回のテーマ「創造と工夫」にちなんで、学会ポスターにも使用されている、当教室員が作製した手術機器をモデルとしたレゴ® の作品も会場内に展示する予定ですので、こちらもご鑑賞ください。
頭頸部外科医療は多くの素晴らしい術式によって支えられてきました。私たち頭頸部外科医はこれらの伝統的な技術を未来に確実に継承していくと同時に、現状に満足することなく、治療成績や患者満足度の向上を目指していく必要があります。伝統的な技術を守りながらも新しい技術や手術手技を創造し、そこに培われた経験から得た工夫を加えることで、頭頸部外科医療をさらに発展させていきたいと考えています。本学会が、より良い頭頸部外科医療を探求し、新たな一歩を踏み出す場となることを期待しています。
伝統ある本学会を当教室が主催させていただくことは、大変光栄であり、大きな喜びです。開催にあたりご賛同をいただきました本学会役員をはじめ、会員の先生方や多くの方々からのご支援に、改めて心より御礼申し上げます。
教室一同、実りある学術集会となるよう鋭意準備を進めてまいりましたので、ぜひご参加いただければと思います。皆様のご参加を心よりお待ちしております。