会長挨拶

第70回日本聴覚医学会総会・学術講演会
会長  野口 佳裕
国際医療福祉大学医学部耳鼻咽喉科学

会長

2025年10月15日(水)~17日(金)に千葉県成田市の成田国際文化会館にて第70回日本聴覚医学会学会総会・学術講演会を開催させていただきます。国際医療福祉大学(IUHW)医学部は2017年に開学しましたが、耳鼻咽喉科学講座が主催させていただく初めての全国学会(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・関連する学会)となります。非常に記念すべきことであり、かつ大変光栄なことと考えております。このような機会を賜りました学会役員、代議員、会員の皆様に厚く御礼申し上げます

主題1は、「難聴児医療・療育における多職種連携」です。IUHWは医療福祉に関する多数の学部・学科を有し、多職種による連携した医療の実践を特色の一つとしています。難聴児に対する医療・療育は、まさに多職種連携の典型です。耳鼻咽喉科医、言語聴覚士、補聴器・人工聴覚器関連職種、認定遺伝カウンセラー、教育関係者、行政担当者などの多くの職種が連携し、最善の医療・療育を提供する必要があります。問題点でも構いませんので、できるだけ多くの各地域あるいは医療機関の実際をご呈示ください。課題を浮き彫りとし、在るべき姿を議論できればと考えています。

主題2は長いタイトルになってしまいましたが、「学童期以降に発症した難聴に対する遺伝子診断を踏まえた医療の課題」です。先天性難聴の場合には難聴医療を専門とする医療機関を受診するのに対して、学童期以降に発症する後天性難聴(若年発症型両側性感音難聴を含む)の場合には多くがクリニックや一般病院を受診します。このときに「遺伝子が関与しうる」という認識が希薄であると遺伝子診断に至りません。本主題では、後天性難聴のどのような例に検査を行うべきなのか、遺伝カウンセリング苦慮例への対応など遺伝子診断を踏まえた難聴医療の課題や工夫について議論したいと思います。最近は、クリニックで遺伝学的検査を行なっている施設も増えており、そこでの実臨床でのご報告も歓迎いたします。

さて、成田には、駅から会場の成田国際文化会館までの間に多くの初詣参拝客で有名な成田山新勝寺があります。そして、東京ドーム約3.5個分に及ぶきれいな公園が隣接しています。また、成田の民芸・伝統工芸、うな重やそば・うどんなどのグルメを楽しめる約800メートルに渡る参道があります。「成田空港には行ったことがあるけれど」という皆様、ぜひ門前町「成田」を楽しんでいただければと思います。

本学が誇る言語聴覚学科のスタッフとともに、IUHW総出で皆様をお出迎えしたいと思います。第70回日本聴覚医学会学会総会・学術講演会への皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。