The 3rd World Congress of Global Scar Society and the 20th Japan Scar Workshop The 3rd World Congress of Global Scar Society and the 20th Japan Scar Workshop

第3回世界瘢痕学会 共同開催:第20回瘢痕・ケロイド治療研究会

会長挨拶

このたび、2025年12月5日(金)・6日(土)に、第3回世界瘢痕学会(The 3rd World Congress of Global Scar Society: The 3rd G-ScarS)と、第20回瘢痕・ケロイド治療研究会(The 20th Meeting of The Japan Scar Workshop: The 20th JSW)を秋葉原コンベンションホールに於いて共同開催させていただくこととなりました。

ケロイドや肥厚性瘢痕を含む、傷あとの治療は国際的な関心が高まっています。日本の瘢痕・ケロイド治療研究会は、世界に先駆けて瘢痕治療を専門に議論してきた研究会です。さらに世界瘢痕学会は、フランスのScar Clubを母体とする、世界的な学会です。この度、世界瘢痕学会と瘢痕・ケロイド治療研究会を共同で、日本で開催させていただくことは大変名誉なことと思っております。欧米やアジアをはじめ、国内外の多くの創傷・瘢痕治療の専門家が一同に会する素晴らしい機会になるものと確信いたしております。瘢痕や創傷治癒に関する臨床的・基礎的テーマが国際的な視点から広く、そして熱く議論されることを期待します。

瘢痕・ケロイド治療研究会(JSW)は2025年で節目となる20年目を迎えます。瘢痕・ケロイド治療研究会では、年1回の研究会において実際に瘢痕・ケロイド治療に長年携わってこられたパネリストによるパネルディスカッションを行ってまいりました。そのすべての討論は瘢痕・ケロイド治療ジャーナル(全日本病院出版会)に掲載されており、2つの大きな成果が得られてまいりました。1つは、誰もが容易にケロイド・肥厚性瘢痕を診断できることを目的に作成された「Japan Scar Workshop Scar Scale: JSS」です。これは第1版が2011年に、第2版は2015年に報告され、最新版であるJSS 2015が汎用されてきております。もう1つは2018年7月に出版された、臨床に即した診断・治療指針である「ケロイド・肥厚性瘢痕診断・治療指針2018」です。この「ケロイド・肥厚性瘢痕診断・治療指針2018」は「Diagnosis and Treatment of Keloids and Hypertrophic Scars-Japan Scar Workshop Consensus Document 2018」として英文誌にも掲載されており、PubMedから全世界でダウンロードが可能です。 これらの成果は研究会会員の皆様のご尽力の賜物であり、いままで治療が困難であったケロイド・肥厚性瘢痕に対する医療に一石を投じることができたのではないかと考えます。第20回瘢痕・ケロイド治療研究会では、「ケロイド・肥厚性瘢痕診断・治療指針2018」の改訂についても議論させていただく予定です。

Scarless wound healingを目指して、瘢痕で悩む患者さんを1人でも減らせるような、有益な学会となるよう、教室員一同とともに鋭意準備をしております。ぜひ多くの会員の皆様のご参加、そして演題のご投稿、何卒よろしくお願い申し上げます。

Rei Ogawa, M.D., Ph.D., F.A.C.S.

第3回世界瘢痕学会
会長 小川 令
日本医科大学
形成外科学教室 主任教授

Yasuyoshi Tosa, M.D., Ph.D.

第20回瘢痕・ケロイド治療研究会
会長 土佐 泰祥
慶應義塾大学医学部
形成外科学教室 特任准教授