第7回アジア慢性期医療学会(The 7th Asian Congress of Medical and Care Facilities)

ご挨拶

テーマ:未来を紡ぐ慢性期医療~治して戻す~
Weaving the Future of Chronic Care ~Healing and Restoring~

会長

第7回アジア慢性期医療学会

大会長 髙石 義浩
医療法人社団 樹人会 北条病院 院長

この度、2026年11月19日(木)~20日(金)に第7回アジア慢性期医療学会を福岡国際会議場にて開催させていただくこととなりました。日本開催は3回目となる第7回アジア慢性期医療学会を「アジアの玄関口」として、歴史的に貿易拠点として発展し、アジア・太平洋地域の主要都市との交流が盛んな国際都市である福岡の地で開催できますことを大変光栄に存じます。

世界的な高齢化の進展により慢性疾患と共生する時間の延伸を招く中で、慢性期医療への社会的要請は「治し、支える医療」からその先の社会復帰「戻す」までを包含することへと格段に高まっています。故に言うまでもなく、慢性期医療の質の確保と向上はますます重要性を増していきます。

ポストモダニズムは20世紀中ばから後半にかけて哲学・芸術・建築などの分野で広まった哲学的な思潮ですが、現代においてもポストモダン医療(postmodern medicine)、近代医学の成果を認めつつも、その限界を乗り越え、より人間的で多様な価値観を認める医療の実現を目指し、人間中心のアプローチや倫理的な議論を深める動きとして表現されています。そして、高齢になり長期ケアに入ったとしても、また急性期に戻り、回復期へ進み、それを繰り返しながら最期を迎えるというケアサイクルの過程において、ADLやQOLを新たな医療のゴールと位置づけて提供するという多様で統合的な医療のあり方が求められています。このような社会的潮流を慢性期医療はより丁寧に繋ぎ合わせて具現化していく必要があり、その結実である良質な医療を次世代へ繋いでいきたいという思いを込めて、本学会のテーマは「未来を紡ぐ慢性期医療~治して戻す~(Weaving the Future of Chronic Care ~Healing and Restoring~)」とさせていただきました。

東アジアでは共通して急速な少子高齢化に直面しています。日本が世界トップクラスの高齢化率を記録する中、どの国も出生率低下と人口構造の高齢化、そして医療技術の高度化による保健医療支出の高騰と高まる財政への負担という共通の課題を抱えています。そして医療費の抑制に向けて、それぞれの国において、入院医療費を中心とした包括払い制度の実施、自己負担の調整、給付範囲の決定と見直しなどの施策が進められています。これらの施策には一長一短があり、保健医療の効率性と公平性のバランスを保つことに係る知見の共有が有用でしょう。本学会を通じて、各国の経験を学び合い、持続可能性を見据えた適切な施策が広く共有され、各国の事情に応じた形でよりよい施策が国際社会に蓄積されていくことを期待しています。

未来の慢性期医療を見据えた挑戦にむけて、多くの参加者の方々と白熱した議論がなされる場となることを目指しております。福岡の地で皆様とお会いできることを心より楽しみにしています。