会長挨拶
第51回日本頭頸部癌学会総会・学術講演会
会長 益田 宗幸
国立病院機構 九州がんセンター頭頸科
このたび第51回日本頭頸部癌学会・学術講演会を国立病院機構九州がんセンター頭頸科で開催させていただくこととなりました。会期は2027年7月2日(金)・3日(土)の2日間で、会場は福岡国際会議場です。九州がんセンターでは始めての開催です。私が所属する九州大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室では、1977年に記念すべき第1回を廣戸幾一郎教授が、1997年には小宮山荘太郎教授が第21回を開催されており、30年ぶりの開催となります。新たな半世紀を迎える節目の学会を、学会発祥の地福岡で開催する事ができ、大変光栄に感じております。
今回の学会のテーマは「頭頸部癌 アートとサイエンスの癒合」といたしました。サイエンスの進歩は凄まじく、頭頸部癌研究、臨床の現場にも、スーパーコンピューター、次世代シーケンサー、AI等の革新的テクノロジーが次々と導入されています。しかしながら、これらの技術をもってしても、高度に調和の取れた頭頸部の臓器機能や、複雑適応系である癌の生態をデジタル化することは不可能です。当然ながら、実際の治療や手術にあたっては、感覚的に全体を把握するアーティスティックな感性と能力が不可欠です。そもそも、アートもサイエンスもわれわらの脳や心の進化の過程から生まれてきたものであり対立するものではありません。その原点に立ち返り、両者を発展的に癒合させることが、頭頸部癌治療に求められていると思います。この観点から鋭意プログラムの準備をすすめております。
海外招聘講演には頭頸部基礎研究のトップランナーであるUCSDのSilvio Gutkind教授と、頭頸部癌放射線腫瘍学領域で基礎・国際治験で世界をリードするThe Institute of Cancer Research: Royal Cancer HospitalのKevin Harrington教授の両名をお招きし最先端のお話をしていただく予定です。特別講演には脳数理学研究の世界的権威である、札幌市立大学AITセンター特任教授・北海道大学名誉教授・中部大学名誉教授の津田一郎教授をお呼びします。脳と心の仕組みをカオス理論で解析されていますが、その研究内容をわかりやすく解説した本も書かれていて、今話題のAIのお話もして頂く予定です。アート分野からは、手術と料理は似ているという私の持論に基づいて、17年連続でミッシュラン三つ星を獲得している京都菊乃井の村田吉弘3代目当主にお話をしていただきます。
学会開催時期は博多の夏の代名詞、祇園山笠(7月1日−14日)の時期に重なります。夏祭りの雰囲気に包まれた、博多の風情が感じられると思います。多くの皆様の参加登録を心よりお待ちしております。
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