第68回日本音声言語医学会総会・学術講演会

会長挨拶

会長写真
第68回日本音声言語医学会総会・学術講演会
会長原 浩貴
(川崎医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学)

このたび、第68回 日本音声言語医学会総会・学術講演会を2023年10月5日(木曜日)~6日(金曜日)に、岡山県倉敷市の倉敷市民会館で開催させて頂くことになりました。本学会が、中国地方において開催されますのは2008年広島県三原市での第53回の学会以来となり、岡山県での開催は始めてとなります。伝統ある本学会を倉敷市にて初めて開催させて頂きますことを大変光栄に存じますとともに、このような機会を与えて頂きました梅野理事長、香取前理事長をはじめ役員、会員の皆様に心より感謝申し上げます。

開催形式は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、対面での活発な討議をいただけるように、現地開催のみとすることにいたしました。お互いの顔を見ながら、声を聞きながら、活発な議論を交わしていただきたいと思います。

今回の学会テーマは「かなえよう!新時代のwell-being ~音声言語医学で支える豊かな人生100年時代〜」としました。日本は、世界で最も早く本格的な人生百年時代に突入しています。その一方、少子化はとどまるところを知らず、少子超高齢社会の中で乳幼児から百寿者までのwell-beingをどのように支えていくのか、このテーマは日本の未来を左右するものと考えます。そして、言語聴覚士,医師,学校教諭,研究者,ほか多くの職種から構成され音声,言語、聴覚、高次脳機能、発達、嚥下など幅広い領域で学術活動をおこなっている本学会会員の皆様の活躍こそが豊かな人生100年時代を支えるための大きな鍵を握っていることは間違いありません。そこで本学会では、テーマに乗っ取り、できるだけ幅広い分野のトピックスを取り上げ、会員の皆様にとって有意義なプログラムとなるよう企画を考えました。

シンポジウムは、患者のwell-beingに焦点をあて、シンポジウム1「well-beingをかなえる!ディサースリア診療の手引き(仮)」、シンポジウム2「well-beingをかなえる!痙攣性発声障害 今後の展開!(仮)」、シンポジウム3「well-beingを高める!難聴への取り組み(仮)」の3つとし、それぞれ、患者のwell-beingを支えていくための最新の話題をご紹介いただきます。

パネルディスカッションは、会場の皆さんとともに、「どうする?」を考えるべく、3つ企画いたしました。パネルディスカッション1「どうする?音声外科手術」、パネルディスカッション2「どうする?歌声トラブルへの対応〜カラオケ愛好者から職業歌手まで(仮)」、パネルディスカッション3「どうする?嚥下障害へのアプローチ(仮)」の3テーマとも、コーディネーターの症例提示に対して、どうする?を、パネリストと会場が一体となり活発なディスカッションをお願いしたいと思います。

教育講演は、吃音とAPDに関しての最新の話題について、それぞれ30分のレクチャーをお願いしております。

また、昨年、平野滋会長が企画され大好評であったMaster Classを今回も開催いたします。YUBAメソッド研究・研修センター清風学園、三重大学名誉教授の弓場徹先生にご指導をお願いしています。倉敷市民会館の大ホールで、思う存分に歌唱指導を受けて頂き、素敵な時間を過ごして頂きたいと思います。
特別講演では、一般社団法人やさしい日本語普及連絡会 代表理事の吉開 章氏に、むつかしい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語である「やさしい日本語」についてご講演頂きます。「やさしい日本語」は、日本に住む外国人へのわかりやすい情報伝達に役立つのみならず、ろう者・知的障害者・高齢者などにも有効であることが認められており、近年ではいくつかの地方自治体で積極的に導入がされています。

さらにThe Voice Foundation Japan Chapter Sessionの、本年の活動についても、コアメンバーの先生方からご報告をいただきます。

会員懇親会は倉敷市民会館にほど近いアイビースクエアで開催予定です。

会期後の10月7日には同会場にてポストコングレスセミナーを予定しています。

こちらは音声障害に対する検査法の実習と、嚥下障害に対する舌のトレーニングと誤嚥防止ノド体操の実技講習をふくめた内容を企画しました。いずれのコースも明日からの実臨床に即役立つ内容ですので、おおくの方々にご参加いただきたくご案内申し上げます。

倉敷市はかつて江戸幕府の直轄領「天領」であり、物資の集積地として非常に栄えたまちです。倉敷の中心地である「倉敷美観地区」では現在も白壁や格子窓のある屋敷、倉敷川沿いの柳並木など、歴史のロマンを感じることができるとともに、ジャズ喫茶や茶道家元を改築した喫茶店などが点在し、古い歴史文化の中にモダニズムの調和がみられる、魅力ある地です。今回の会場はこの美観地区近隣の倉敷市民会館としました。JR岡山駅から倉敷駅へは10分程度です。倉敷駅から会場の倉敷市民会館へは、バスもしくはタクシーで10分ほどの距離にありますが、散策しながら会場へお越しいただくのもいいかもしれません。会期中、美観地区を中心に是非散策頂き、倉敷の秋を堪能頂ければ幸いです。10月からは「倉敷美観地区夜間景観照明」が始まります。特別な夜の演出が町家や白壁の建物、レトロな洋館を優美に映し出し、日没から21時まで、日中とは異なる景色が楽しめます。

演題募集期間は2023 年 4 月 4 日(火)正午~5 月 31 日(水)の予定です。是非多くの会員の皆様にご参加頂けますよう、教室員一同、心よりお待ちしております。