第13回日本運動器理学療法学会学術大会

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大会長挨拶

第13回日本運動器理学療法学会学術大会
大会長 木藤 伸宏

この度、第13回日本運動器理学療法学会学術大会を2025年11月22日(土)~23日(日)の2日間、大阪国際会議場にて開催することとなりました。本学術大会の大会長を務めさせていただきますことを大変光栄に存じます。

第13回では「運動器理学療法におけるアウトカムを確立する」をテーマとさせていただきました。理学療法は診療報酬が得られているにもかかわらず、効果について常に憂慮されています。近年のメタ解析・システマティックレビューの多くは、整形外科疾患に対する理学療法の柱である運動療法の効果について懐疑的意見が増えています。「何をもって効果があるとするのか」は一概に決めることはできませんが、患者(家族や関係者)と理学療法士(処方された医師を含む)が共通の認識をもって治療に当たっているかどうかという点において、立ち止まって考え直す必要があります。われわれは【治療の効果】などと簡単に言いますが、「何をもって理学療法の成果を評価するのか」という問題は、理学療法士が臨床研究を行う、そして、エビデンスを構築する上で避けては通れない重大な論点です。それは提供者側の価値観でのみ決定することはできません。私は「何をもって効果があると判断するのか」について、運動器理学療法学会が先導して取り組む優先課題だと考えています。よって第1主題は、【運動器理学療法におけるアウトカム】とします。

運動器理学療法のみならず、理学療法は運動機能障害を主の治療ターゲットとしています。しかしながら、運動機能障害の実態は謎に包まれており、靄がかかったようにぼんやりしているにもかかわらず、多くの理学療法士は何となく解った気でいるという感じではないでしょうか。その理由として、画像検査や生化学検査のように視覚化・定量化するには現在のテクノロジーをもってしても難しいからです。そこで、本学術大会の第2主題として【運動機能障害の可視化―サロゲート探索】とします。サロゲート指標が明確になれば、それを見つけるためのシステマティックな臨床検査の開発、さらに運動機能障害を改善するための理学療法治療介入の開発・発展・ガイドラインにつながります。

本学術大会ではこの2つの主題について解決には至らないとしても今後の運動器理学療法学会のアカデミア活動に反映できる方向性が得られないかと考え、主題関連の講演、シンポジウム、主題演題、クローズドミーティングを企画しています。また、整形外科学との関係は切っても切れないものです。そこで現在第一線でご活躍されている整形外科学教室の教授をお招きし、最新知見と理学療法士に期待するものを講演していただく予定です。さらに若い理学療法士に対しては学術的側面だけではなく、臨床で活用できる知見を得ることも必要です。そこで臨床にすぐに反映可能な教育講演を予定しています。

本学術大会は、コロナ前の状態にもどった現在の状況を踏まえ、現地開催で行います。皆様と直接お目にかかり活発な議論が行われることを願いながら、多くの皆様がご参加いただけるよう準備して参ります。

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