会長挨拶
- 第79回日本めまい平衡医学会総会・学術講演会
- 会長 室伏 利久
- (帝京大学医学部附属溝口病院 耳鼻咽喉科)
このたび第79回日本めまい平衡医学会総会ならびに学術講演会を担当させていただくこととなりました。60年を越える歴史をもつ本学会を担当させていただくことは身に余る光栄と存じます。本学会を帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科で担当させていただくことは初めてであり、また、帝京大学全体といたしましても、1973(昭和48)年に故鈴木淳一教授が第32回日本平衡神経科学会を担当して以来、47年ぶりと、ほぼ半世紀ぶりのこととなります。
本学会が開催される時点では、東京オリンピック/パラリンピックも終了しているはずでしたが、COVID―19 の世界的流行のため、1年間延期となりました。また、さまざまな学会も、中止、延期を余儀なくされる事態となっております。この原稿を執筆している時点では、本学会は現地開催を目指して準備しているところですが、まだまだ予断を許さない情勢です。今回の学術講演会のテーマとして、『難問への挑戦』を掲げさせていただきましたが、学術講演会自体をいかに開催するかという予想もしなかった難問を抱えることになってしまいました。しかし、私は、可能な限り現地での開催を追求したいと思っています。Web 配信などのリモートシステムを用いることも勿論すぐれた方法ではあるのですが、個人的には、現地でライブの発表を聴き、討論をするという、ある意味古典的な手法のもつ緊張感を愛するものです。ですので、私共としては、感染防止対策に万全を期しつつ会員の皆様を現地でお迎えする予定でおります。なにとぞ皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
学術講演会では、一つのシンポジウム、一つのパネルディスカッション、六つの教育セミナー。一つの臨床検査セミナー、二つのイブニングセミナー、五つのランチョンセミナー、一つの招待講演、および会長講演を企画いたしました。教育セミナーはすべて領域講習として承認されており、また、イブニングセミナーの小長谷正明先生によるタイムリーな内容の「歴史を変えた疫病」は、共通講習(感染対策)として承認されております。また、加我君孝先生には、私共、帝京大学の耳鼻咽喉科学初代教授の鈴木淳一先生の業績を振り返る「鈴木淳一先生の三半規管の電気生理学とその後の新展開」をご講演いただきます。オーストラリアの Halmagyi 教授の講演はやむをえずリモート講演となりますが、これもリアルタイムの講演とすべく準備中です。
ともかくも、様々なことが初めての経験です。どのようなフィナーレを迎えるかわかりませんが、皆様ご期待ください。また、様々な不行き届きが発生するやもしれませんが、事情をご賢察のうえご容赦たまわりますことをあらかじめお詫び申し上げておきます。