会長挨拶

第84回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会

第84回耳鼻咽喉科臨床学会 総会・学術講演会
会長 竹野 幸夫
広島大学大学院 耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学 教授

令和4年7月8日(金)・9日(土)の2日間、広島国際会議場並びにクラウンプラザホテル広島で第84回耳鼻咽喉科臨床学会を広島で開催させていただきますことになりました。伝統ある本学会を開催させていただき大変光栄に存じております。
広島での開催は、昭和49年8月31日(土)~9月1日(日) に第36回大会を当教室の第二代教授である黒住静之先生が開催されて以来の48年ぶりのことです。教室として大変名誉なことであり、このような機会を与えていただいた本学会会員の皆様、役員の諸先生方に心から感謝申し上げます。
今回のテーマは、開催時期にはワクチン接種効果と治療法の進歩により新型コロナウイルス感染状況も落ち着いているとの希望もこめ、「耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学の明日を拓く」と、いたしました。丁度、まだコロナ禍の最中の状況で立派に開催された、北海道大学の本間会長がテーマとされた『前進!』、また東京オリンピック2020のテーマともなったくしくも英語直訳の「Moving Forward」、の気持ちを忘れることなくさらに新たな領域を切り開いていきたいと考えている次第です。

特別講演は2つ企画しました。おひと方は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の理事長 藤原康弘先生にお願いしております。医療イノベーションの推進に向けたPMDA の取り組みに関して、グローバルリーダーとしての立場から、貴重な講演が伺えることと思います。もう一方は広島県呉市出身で映画監督の信友直子氏にお願いしております。ドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくお願いします」は、テレビのスペシャル企画にも取り上げられ大きな反響を呼びました。超高齢化社会を迎えた我が国の在宅医療・介護への耳鼻科医のかかわり方を考える機会になるのではないかと思います。
また、海外招聘講演としては英国のBirmingham大学の頭頸部外科のChairであるHisham Mehanna教授を予定しています。新進気鋭の若手教授で当科の上田准教授も留学していた縁での初来日です。De-ESCALaTE HPV試験、COVID-19下の頭頸部癌診療、などの国際共同トライアルの結果をLancet、Lancet oncologyなどに筆頭著者として報告されています。
その他、シンポジウム、パネルディスカッション、臨床・手術手技セミナー等も魅力ある内容を企画したいと思っております。また学会の中核をなす一般演題に関しても、空間を十分にとることにより、現地開催ならではの白熱した議論ができることを祈念しております。

広島は、山、谷、盆地、平野、川、海が織りなす地形が日本の原風景ともいうべき景観を作っています。瀬戸内海の島々と中国山地の豊かな自然に恵まれ、世界遺産となった原爆ドーム(広島市)や国宝平家納経で知られる厳島神社(廿日市市)があります。もう少し足を延ばしていただきますと、旧海軍兵学校跡地の海上自衛隊第1術科学校(江田島市)、戦艦大和の建造に係る資料を展示した大和ミュージアム(呉市)、ニッカウヰスキー創業者の生家がある竹原市等々、興味深い場所が点在しております。是非この機会に、学会の合間をみて足を運ばれてはいかがでしょう。多くの先生方の御来広を心よりお待ち申し上げます。

終わりにあたり当時の教室史をひもといてみると、前回の第36回大会は現在の国際会議場とクラウンプラザホテルの東隣に位置していた見真講堂で開催されていました(今は資料館になっています)。見真とは仏語で、「智慧によって、真実の理をみぬくこと。」を意味します。今回の大会も、ご参加いただいた先生方の叡智がくみ上げられた実り多き学会となるよう、教室をあげて努力する所存です。先生方にも多くの演題をご登録いただき、本学術講演会を盛り上げていただきますようお願い申し上げます。