第2回アジア太平洋瘢痕医学会 共同開催:第14回瘢痕・ケロイド治療研究会

会長挨拶

このたび、2019年11月2日(土)・3日(日)に、第14回瘢痕・ケロイド治療研究会(The 14th Meeting of The Japan Scar Workshop: The 14th JSW)と第2回アジア太平洋瘢痕医学会(The 2nd Congress of The Asian Pacific Society for Scar Medicine: The 2nd APSSM)を東京都千代田区にある秋葉原UDXに於いて開催させていただくこととなりました。

本邦においてはおかげさまで瘢痕・ケロイド治療研究会(JSW)が2019年で14年目を迎えます。瘢痕・ケロイド治療研究会は年1回の研究会でパネルディスカッションを行ってまいりました。すべての討論は瘢痕・ケロイド治療ジャーナルに掲載されていますが、その結果2つの大きな成果が得られました。1つは、誰もが容易にケロイド・肥厚性瘢痕を診断できることを目的に作成された「Japan Scar Workshop Scar Scale: JSS」です。これは第1版が2011年に、第2版は2015年に報告され、最新版であるJSS 2015が汎用されています。もう1つは2018年7月に出版された、臨床に即した診断・治療指針である「ケロイド・肥厚性瘢痕診断・治療指針2018」です。これは、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療を専門とする施設の先生方だけでなく、一般的な形成外科や皮膚科、また傷あと(瘢痕)に関心をお持ちのすべての先生方にもご利用いただけるよう工夫がなされた診断・治療指針です。これらの成果は研究会会員の皆様のご尽力の賜物であり、いままで治療が困難であったケロイド・肥厚性瘢痕に対する医療に一石を投じることができたと思っております。第14回瘢痕・ケロイド治療研究会でも、新たな目標に向かって熱い議論が行われることと思います。

ところでケロイドや肥厚性瘢痕を含む、傷あとの治療は国際的な関心が高まっており、日本を始めとするアジアが先頭に立って、積極的に治療および研究開発を行ってきました。この度、第14回瘢痕・ケロイド治療研究会(The 14th JSW)は、第2回アジア太平洋瘢痕医学会(The 2nd APSSM)と合同開催することが決定し、アジアを中心とした国内外の多くの瘢痕治療の専門家が一同に会する素晴らしい機会になると確信しております。このAPSSMでは、アジア人で特にケロイド・肥厚性瘢痕が重症化する事実から、美容的側面のみが取り上げられがちな西洋主体の瘢痕学会とは異なるテーマが国際的な視点から熱く議論されると思います。

Scarless wound healingを目指して、瘢痕で悩む患者さんを1人でも減らすため、有益な研究会となるよう、教室員一同とともに鋭意準備しております。ぜひ多くの会員の皆様のご参加、そして演題のご投稿、何卒よろしくお願い申し上げます。

大会会長 小川令

第14回瘢痕・ケロイド治療研究会、第2回アジア太平洋瘢痕医学会

Rei Ogawa署名

大会会長 小川令
日本医科大学形成外科学教室 主任教授