大会長挨拶
第21回日本神経理学療法学会学術大会
大会長 網本 和
(仙台青葉学院短期大学 / 前・東京都立大学)
COVID19パンデミックは、この間の臨床現場での絶え間ない献身によってようやく沈静化し学術活動もまた、かつての輝きを取りもどしつつあります。このような状況のなか、第21回日本神経理学療法学会学術大会のテーマを「臨床知へのあゆみ(Steps to Clinical Pearl)」としました。周知のようにClinical Pearlとは、「ある患者から得られた情報のなかで、他の患者に対しても一般化でき、経験豊富な優れた臨床家から得られ、あまり知られていない知識をうまく伝えることができ、注意をひきインパクトのあることが最も重要であり、簡単で、理解しやすくあるべきである。」とされています。すなわち多くの経験に裏打ちされた「臨床知」として捉えられます。
また「あゆみ」としていることから、これまでの歴史、現在、未来にも言及し俯瞰してゆくことが重要です。加えて上述したように多様な学際領域からの科学的知見を纏うことによって、このパールはさらに臨床的貢献へのひかりを増すものと考えられます。サブテーマとして「学際性への架け橋」を挙げた所以がここにあります。1999年横浜でWCPT大会が開催され、その時のテーマは「Bridging the Cultures」でした。世界の文化を許容しつないでいくという壮大さを感じられるものでした。同じ横浜の地において、爾来4分の1世紀を経て大きく進歩した神経理学療法にとって学際性への架け橋となることを願っています。
本大会は全面的に対面形式で行うこととしました。ポスター発表も行います。また、主要なプログラムは記録してアーカイブとしてオンデマンド方式でポストコングレスにて配信します。第21回日本神経理学療法学会学術大会では、関連する医学会、他領域の理学療法学会・研究会との連携のもと学際的展望を礎にしつつ、神経理学療法にとって意義のある臨床知を提言していきたいと考えています。
9月の横浜は残暑のなかにありますが、みなとみらいは海辺なので比較的すずしく過ごしやすいと思います。全国の皆様の臨床知を結集してその果実を皆で味わいましょう。
いざYOKOHAMAへ!